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今回はBMW E70 LCI X5 N55 エンジンが始動できないとの事でレッカーにて入庫いただきました。
X5に搭載されているN55エンジンはツインスクロールターボ搭載でとても力強く、フィーリングの良いエンジンです。
先代のN54エンジンから変わり故障も少なくなってきましたがやはり輸入車には故障が付き物ですね。
まずは症状確認から行います。
ドアを開けた時にルームライトは点灯していますのでバッテリーの完全放電は無さそうです。
イグニッションONにし、スタートボタンを押してみますがエンジンが掛かる気配は一切しません。
イグニッションONになるからとは言えバッテリーのスタート容量が無ければスターターは回りませんのでバッテリーの確認も行います。
バッテリーは弱っていましたが電圧が12V前後ありSOHのパーセンテージ的にも始動には十分でした。
もう一つ問題があり、この車両は電子シフトの為イグニッションONではニュートラルに入れる事ができずレッカー車から降ろし移動する事ができません。
ですが仕組みを理解しているのでシフトのパーキングロックを解除し工場へ移動していきます。
BMW専用テスターを使用し故障メモリを読み出します。
電圧低下等のメモリはありましたがこれと言った故障メモリもなくスターターへの信号線、電源線は問題ありませんでした。
ですのでスターター本体を疑っていきます。
まずはスターターがインテークマニホールド下にあるのでバッテリーのマイナス端子を外し周辺の部品を外していきます。
インテークマニホールドを外すとようやくスターターが外せますので外して単体テストを行います。
バッテリーを直結させ単体テストを行いスターターが一切回りませんでした。
原因は確定しましたが、一応確認でスターターの故障を疑った時に叩く事が有るのでコンコンと叩いてみたところ一瞬だけ回りましたがこれではクランクシャフトを回す力が無いので使い物になりません。
バッテリーと合わせてスターター、その他補機類を外した時に必要なガスケット類のお見積もりをお客様に説明し交換を行いました。
交換作業自体は点検時に分解していましたので新しいスターターを取り付け元に戻していきます。
バッテリーを交換したので交換登録を行います。
始動テスト、ロードテストで問題有りませんでしたので作業完了になります。
今回の様な症状では既にエンジンがかかりませんでしたがスターターが壊れかけている時やバッテリーが弱っている場合、始動できる時があったり、始動できない時があったりする事があります。
始動性が悪いな…と感じたときには先ず弊社へご相談ください。